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正式サービスが開始した『ゼノンザード』の紹介とレビューをする話

ZENONZARD(ゼノンザード)って何ぞや

バンダイが9/10の11時に正式サービスを開始したデジタルカードゲーム『ゼノンザード』の紹介とプレイ後のレビューです。目新しい技術であるAI(人工知能)を搭載しており、ゲームをプレイしながら自分のAIに機械学習させていき、人間と学習したAIで共闘したり、対戦したりすることができます。

ゼノンザードに搭載されているAIについて

AIを開発しているのは、将棋AIの『Ponanza(ポナンザ)』を開発した山本一成さんが所属する株式会社HEROZ。自社開発のAIを活用した『将棋ウォーズ』『CHESS HEROZ』などのアプリをリリースしているほか、『ポケモンコマスター』の開発にも携わっています。

今回の『ゼノンザード』でも開発を担当しているHEROZは2018年の9月に”独自AIである「HEROZ Kishin」をバンダイに提供する”旨のプレスリリースを発表しています。それから約1年の開発やテストの過程を経て、今日のリリースに至ったようです。

ゼノンザードのゲームシステムについて

同じデッキでもフォースの組み合わせや使用タイミングで展開が変化する

プレイヤーは「フォース」という9種類のライフを持つ設置物のうちから2種類を選択。これは自分のターンの特定のタイミングや、フォースが破壊された時にそれぞれ異なる効果を発揮します。そのほか、相手のターン中に割り込んで使用できる「フラッシュタイミング」の要素もあることからカードだけでなく、フォースの組み合わせやその使用タイミングなど様々な要素で戦況が変化していくのです。

フィールドとベースを自由に行き来できる「移動式マナシステム」

カードゲームにはつきもののマナコストの概念ですが、ゼノンザードでのミニオンは「ベース」と呼ばれるマナを置く場に配置することで、マナコストとして使用することが可能です。召喚したカードをベースに移動させることでマナの量を自由に調整することができ、「大技や強力なミニオンを出すために先に召喚しているミニオンを手札に戻して足りないマナを補充する」といったプレイングも可能です。

AIによる的確な分析と集計で試合の流れを読み取る

搭載されているAIはバトルの状況を分析し、そのときに応じたプレイングを提案してくれます。さらに戦闘結果は毎試合棒グラフ化され、リプレイ機能とともにどこで優勢・劣勢になったかの見極めや、試合の転換点となった地点からプレイをやり直すことで最善の一手を学ぶことができる「IFバトル」機能を利用できます。カードゲームが苦手な人でもセオリーを学べるほか、研究熱心な上位プレイヤーにおいても便利な機能です。

正式サービス開始初日に実際にプレイしてみての感想

ここからはサービス開始後の感想となります。まず、良い点は「AIは初期状態からある程度の行動ルーチンが組まれており、バトルにおける有効的な提案をしてくれる」ということと、「グラフ化・IFバトル機能がプレイミスを冷静に客観視するのにとても役に立つ」ということの2つでした。

自分のAI(バディーズと呼ばれる)との対戦を行った時、多少マジックカードの使用対象がおかしい場面がありましたが、おおむね正常な動作を行っていました。(適当にやっていたらいつの間にか防ぎきれなくなっていて負けていた・・・)

また、戦闘におけるグラフはリプレイやIFプレイと合わせることで、どのタイミングで「自分のプレイングの評価値を増加・減少させたか」や「相手との評価値が逆転したか」が見える化されており、プレイングの上達にはもってこいの機能です。

一方で悪い点として感じたのは「リリース初日の通信負荷が激しいせいか行動ごとに通信のローディング表示が行われ、プレイの爽快感に欠ける」ということでした。こちらは今後改善されていくものと思われます。

カードゲームだけでなくAIの育成も楽しみのひとつ

個人的にあまり今まで触ってきたデジタルカードゲーム(ハースストーン・シャドウバース・ドラクエライバルズ・CoJポケットなど)は通信対戦における強さを求めることがゲーム内容の大部分を占めており、「札束を積み上げて強力なデッキで殴って終わり」の印象が強かったです。強いて言えばそのほかはカードのコレクション要素がある程度でしょうか。

ゼノンザードにおいては前述の通信対戦要素に加えて「機械学習でAIを育てる」というある種育成シミュレーションの要素も含まれており、今後のサービス展開にも期待が持てます。また、販売元のバンダイは『AIカードダス』という新たなブランドの第一弾として本作をリリースしており、第二弾・第三段の作品がどのような形で世に出てくるのかも興味が尽きないところです。

一般の人でも機械学習に触れられる機会は増えてきているとは思いますが、その敷居は「まだまだ高い」と感じている人が多いのではないでしょうか。そういった状況の中でゲーム業界が送り出している「気軽に触れられるAI」や「簡単に取り組むことのできる機械学習」は人生経験として一度触れてみる価値があると私は感じました。

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