求肥はなぜ牛皮とも呼ばれるのかという話
求肥は大福に欠かせない和菓子の材料です
大福・練り切り・すあまなどに使われている和菓子の材料が求肥(ぎゅうひ)です。一般的には"白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練りあげたもの"とされていますが、ここでいう餅粉とは、もち米を厳密に80メッシュから90メッシュほどの非常に目が細かいふるいにかけられたものを指します。
生地を練り上げる際に「水あめや砂糖を粉と同量から2倍量加える」ため、時間が経っても普通の餅のように硬くならず、また製法によっては日持ちもするものが出来上がります。
なぜ求肥は「牛皮」とも呼ばれるのか
求肥は別の呼び方として牛皮(牛肥)とも呼ばれることがありますが、別に牛脂が入っているだとかそういう訳ではありません。(私は求肥を知った当初そう思っていました…)
牛皮(牛脾)はもともと中国に唐の時代からあったもので「牛の皮のように柔らかい触感」であることがその名の由来です。遣唐使によって平安時代の日本に伝わった際に、現在の「求肥」という字に改められたといわれています。当時の日本は「平安仏教」と呼ばれる仏教の思想が広まっており動物の殺生、ひいては動物の肉を食らうことが忌み嫌われる時代でした。
求肥は家でも手軽に作ることができる
求肥の基本的な製法はおおまかに、
- 餅粉に水を加えて混ぜて塊を作り、ゆでる
- 茹でた餅を弱火にかけ、砂糖や水あめを少しづつ加えながら練る
(餅と砂糖なら1:2、餅と水あめなら1:1の割合) - ラップを敷いたバット(流し缶という専用の道具もある。)に流して冷ます。
の3工程に分かれています。電子レンジで簡単に作れるレシピもあるようなので、大福や練り切りにご家庭でチャレンジしてみたい方は試してみてください。市販では売っていないようなカジュアルアレンジにも挑戦できます。