郵政省時代に作られた通帳、失効してるかもという話
きっかけはとある一家で起こった一例
今日は郵政省時代に作られた郵便貯金総合通帳についての話をしたいと思います。この話のきっかけはとある一家の一例です。
「親が子供の学資貯金のために郵便貯金総合通帳を作っていたが、最近その通帳を自身の給与口座として利用しようとした際に"あなたの定額郵便貯金は期間満了から20年取り扱いが無い場合に権利が消滅します"として、ゆうちょ銀行通帳への切り替えを求める催告書が届いた。」というもの。まぁ、これウチの話なんですけど…
"行政機関"に預けたはずが"民営企業"に没収される可能性
そんなお話がありましたので興味があり調べてみたところ、
最後のお取扱い又は期間満了日の翌日(預入の日の応答日)から20年間お取扱いがない場合に催告書を発送し、当該催告書の発送の日から2か月間貯金の払戻しがない場合には、権利消滅することになります。(引用元:ゆうちょ銀行 よくあるご質問 民営化前の定額郵便貯金等の権利消滅の取扱いに変更はありますか。)
ということになっているのです。行政機関を信用して自分のため・家族のために定期預金を作っていた預金が2007年(平成19年)10月1日に民営化されて以降、このルールによって新たな預金口座に移行するか、あるいは払戻しを行うかの選択を迫られています。送付された催告書に気付くことが無ければ、その預金は民間の金融機関となったゆうちょ銀行で運用されることになるのです。
民営化当時の首相官邸ホームページには、
郵政民営化が実現すれば、350兆円もの膨大な資金が官でなく民間で有効に活用されるようになります。
と、民営化することによるメリットが当時の総理大臣である小泉純一郎氏の署名入りで書かれていますが、一体この350兆円が何処へ行ったのか、正確に把握している人がいるのか甚だ疑問に思います。メリットよりも、デメリットに対しての対処をどのようにするのかの方法論をもっと具体的にまとめておく必要があったのではないかとも思うところです。
ご実家などに休眠状態の銀行通帳が無いか確認を
権利が消滅するのは当時の郵政省時代の口座に限りません。2018年(平成30年)1月1日に施行された「休眠預金等活用法」によって、2009年以降、最後の取り扱いから10年以上が経過した口座は休眠口座として扱われ、預金は民間交易活動などに使われることになります。
引き出す際にも口座の復旧・解約や払戻しのための手続きを行う必要があるため、休眠口座となっている口座が無いか、定期的に確認するように注意が必要です。